フリーランスでも住宅ローンは通る!

住宅ローン審査に落ちた個人事業主の共通点と次の一手

住宅ローン審査に落ちた個人事業主の共通点と次の一手 ローン審査対策
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「審査に通らなかった…でも、理由が分からない」

住宅ローンの審査結果を受け取ったとき、こんなふうに感じた方も多いのではないでしょうか。実は銀行側から明確な理由は教えてもらえないことがほとんどです。でも、15年間この業界で多くの個人事業主・フリーランスの方々の住宅ローン審査に立ち会ってきた私からすると、審査に落ちるケースには明確なパターンがあります。

今回は、個人事業主が住宅ローン審査で「落ちる」理由と、その後どう動けばいいのかを、現場の実例をもとにお伝えします。

まず知っておきたい:審査に「落ちる」には2種類ある

住宅ローンの審査結果で「落ちた」と言っても、実は大きく2つのパターンがあることをご存じでしょうか。

1つ目は「否決」。これは完全にNG、つまり一切借りられないという回答です。2つ目は「減額承認」。希望していた金額には届かないけれど、減額された金額なら融資できますよ、という条件付きの承認です。

例えば、4,000万円を希望して申し込んだのに「2,500万円までなら融資可能」と言われるケースです。減額承認の場合、物件の購入予算を見直すか、自己資金を増やすか、あるいは別の銀行に再チャレンジするか…いずれにしても、戦略を練り直す必要が出てきます。

個人事業主が審査に落ちる3大理由

1. 開業期間が短すぎる

最も多いのがこのパターンです。多くの銀行では、個人事業主の場合「直近3期分の確定申告書」の提出を求められます。つまり、開業してから最低でも3年は経過していないと、そもそも審査の土俵にも上がれないということです。

以前、開業2年目の飲食店経営者Aさんが相談に来られました。売上も順調で、月に80万円ほどの所得があったのですが、銀行から「3期分の確定申告書が揃っていないため審査できません」と言われてしまいました。これは銀行の基準そのものなので、どんなに説明しても覆ることはありません。

2. 所得を抑えすぎている

個人事業主あるあるなのですが、「節税のために経費をたくさん計上して、所得を低く抑えている」方は要注意です。銀行が見るのは「売上」ではなく「所得」。つまり、経費を引いた後の金額が審査の対象になります。

実際にあったのが、年商1,500万円のデザイナーBさんのケース。経費をフル活用して節税していたため、確定申告上の所得は年間180万円ほどでした。銀行からすると「年収180万円の人」として審査されるため、希望していた3,500万円の融資は大幅に減額され、1,500万円までしか借りられませんでした。

所得が赤字の場合は、そもそも融資自体が受けられないと考えておいた方が安全です。住宅ローンを検討し始めたら、少なくとも2〜3年前から確定申告の数字を意識する必要があります。

3. 他の借入がある

意外と見落とされがちなのが、住宅ローン以外の借入です。マイカーローン、バイクのローン、カードローン、事業用の融資…これらは全て「返済能力」を圧迫する要因として審査に影響します。

銀行は「返済負担率」という指標を重視します。これは年収に対する年間返済額の割合のことで、一般的には30〜35%以内に収まっていることが求められます。例えば年間所得が400万円の方なら、年間返済額は140万円以内(月約11.6万円)が目安です。

ここに車のローンが月3万円、事業用の融資が月5万円あると、住宅ローンに使える枠は月3.6万円程度。これでは希望額には到底届きません。「ローン」と名の付くものは、貴重な融資枠を減らしてしまう行為だと認識しておきましょう。

もう1つの落とし穴:個人信用情報

所得や開業期間がクリアできていても、審査に落ちるケースがあります。それが「個人信用情報」の問題です。

クレジットカードの支払いを何度も延滞していたり、過去にカードローンを滞納した履歴があると、信用情報機関(CIC、JICCなど)にその記録が残ります。銀行は必ずこの情報を照会するため、延滞履歴があると「この人は約束を守れない人だ」と判断され、審査に大きく影響します。

特に注意したいのが、携帯電話の分割払いです。これも実はローンの一種なので、支払いが遅れると信用情報に傷がつきます。住宅ローンを考えているなら、あらゆる支払いは期日厳守を徹底してください。

審査に落ちたら、次に取るべき3つの行動

1. 開業期間が足りない場合

答えは1つ:粛々と事業を続けることです。残念ながら、開業2年目の人が翌月に審査に通る魔法の方法はありません。ただし、すべての銀行が3期分を必須としているわけではないことも覚えておいてください。

私の経験上、最短で審査に出せるのは「フラット35」です。フラット35であれば、確定申告書1〜2期分で審査を受けられる場合もあります。開業してまだ日が浅い方は、まずフラット35を検討してみる価値があります。

2. 所得を増やす計画を立てる

今すぐに審査に通らないとしても、将来的に住宅ローンを組むつもりなら、今から準備を始めましょう。具体的には以下の2つです。

売上を大きく伸ばす:シンプルですが、売上が増えれば所得も増やしやすくなります。新規顧客の開拓や単価アップを検討しましょう。

経費の割合を調整する:節税も大切ですが、住宅ローンを組む直前の2〜3年は、所得額を意識的に高めに設定することをおすすめします。多少税金を多く払うことになっても、住宅ローンが通る方が長期的にはメリットが大きいケースも多いです。

3. 銀行の基準を事前にヒアリングする

審査を出す前に、その銀行が「何年分の確定申告書が必要か」「所得の平均値を見るのか、最低値を見るのか」といった基準を確認しておくことが重要です。

不動産会社を通して物件探しをしている場合は、不動産会社の担当者に相談すれば、提携銀行の詳しい基準を教えてもらえることもあります。無駄に時間を費やさないためにも、この事前リサーチは必須です。

絶対に避けるべきこと

ここまで読んで「じゃあ、とりあえず時間をかければいいんだ」と思った方、ちょっと待ってください。無駄に年数を重ねるだけでは意味がありません

目的を持って、売上・所得の計画を立てていくことが何より重要です。3年後に住宅ローンを組むと決めたら、その3年間で「どれだけの所得を確保するか」「他の借入をゼロにする」といった明確な目標を設定しましょう。

そして繰り返しになりますが、車のローン、バイクのローン、カードローンなど、住宅ローン以外の「ローン」と呼ばれるものは極力避けてください。これが審査通過への最短ルートです。

まとめ

個人事業主が住宅ローン審査に落ちる理由は、主に以下の3つです。

  • 開業期間が銀行の基準(多くは3期分)に達していない
  • 節税のため所得を抑えすぎている、または赤字である
  • 他の借入や信用情報に問題がある

審査に落ちたとしても、諦める必要はありません。まずは自分がどのパターンに当てはまるのかを冷静に分析し、適切な対策を取ることが大切です。フラット35のように、比較的短い期間で審査可能な商品もあります。

15年間、たくさんの個人事業主の方々の住宅購入をサポートしてきましたが、しっかり準備をすれば必ず道は開けます。大切なのは、無計画に時間を過ごすのではなく、「住宅ローンを組む」というゴールに向けて逆算して行動することです。

※本記事の内容は2026年1月現在の情報に基づいています。金融機関の審査基準は変更される可能性がありますので、最新情報は各金融機関にご確認ください。

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