「クレジットカードを使っているけど、これって住宅ローンの審査に影響するのかな…」
住宅ローンを申し込もうと考えているフリーランスや個人事業主の方から、このような相談を受けることがよくあります。結論から言うと、クレジットカードそのものが問題になることは少ないんです。ただし、使い方次第では審査に大きな影響を与えてしまうことがあります。
私は不動産営業として15年以上、数多くの住宅ローン審査に立ち会ってきました。その経験から言えるのは、「知らなかった」で審査に落ちてしまうケースが本当に多いということ。今回は、クレジットカードの履歴が住宅ローン審査にどう影響するのか、現場で見てきた実例を交えながら詳しく解説していきますね。
普通に使っている分には問題ない、でも…
まず安心していただきたいのは、クレジットカードを普通に使っている分には、基本的に審査に悪影響はないということです。
会社員の方もフリーランスの方も、日常的にクレジットカードで買い物をすることは当たり前の時代。毎月の支払いをきちんとしていれば、むしろ「信用履歴がある」という意味でプラスに働くこともあります。
ただし、ここからが重要なポイント。実は「使い方」によっては、大きな落とし穴があるんです。
リボ払いは要注意!「借入枠」で見られている
私のお客様で、こんな方がいました。Aさん(37歳・フリーランスデザイナー)は年収500万円で、クレジットカードを3枚お持ちでした。「普通に使っているだけだから大丈夫」と思っていたそうですが、事前審査でつまずいてしまったんです。
理由を調べてみると、3枚のうち2枚がリボ払い設定になっていました。実際の残高は合計で5万円程度。「たった5万円なのになぜ?」とAさんは驚いていましたが、ここに大きな誤解があったんです。
リボ払いは、仕組み上「お金を借りている」のと同じ扱いになります。しかも厄介なのが、実際に借りている金額ではなく「借入枠の上限額」で審査されるケースがあるということ。
Aさんの場合、2枚のカードそれぞれにリボ払いの上限枠が50万円ずつ設定されていました。つまり、実際には5万円しか借りていなくても、銀行側は「100万円分の借入がある可能性」として審査していたんです。
この誤解、本当に多いんですよ。リボ払いって毎月の支払額が一定だから便利に感じますが、住宅ローン審査では不利に働くことがあります。場合によっては、リボ払いのカードは一旦解約した方が良いケースもあるんです。
「ちょっとした滞納」が5年間残る現実
もう一つ、よくある失敗例をお話しします。
Bさん(34歳・個人事業主)は、過去にクレジットカードの支払いを何度か遅らせたことがありました。ただ、悪意があったわけではなく「銀行口座の残高が足りなくて、たまたま引き落としできなかった」だけ。すぐに気づいて払い込んだので、大きな問題はないと思っていたそうです。
しかし、事前審査は落ちてしまいました。
実は、何度か滞納したことがある、特に1つの借入を数ヶ月以上滞納したことがあるという履歴は、個人信用情報に記録として残ります。この記録は2026年1月現在、短期の延滞でも2年間、61日以上または3ヶ月以上の延滞になると「異動」として5年間も残るんです。
悪意がなくても、銀行口座にたまたま残高が不足していた、というケースも十分あり得ます。口座振替の日を忘れていたり、別の引き落としと重なってしまったり。でも、銀行側からすると「この人はお金の管理ができていない」と判断されてしまうんですね。
Bさんは結局、滞納記録が消えるまで待つことになってしまいました。
銀行は「すべて」見ている
ここで知っておいていただきたい重要なことがあります。
基本的に銀行は個人信用情報を必ずチェックしています。つまり、滞納履歴などは「ほぼ必ず見られている」と思った方が良いんです。
日本には以下の3つの信用情報機関があり、銀行はこれらの情報を共有して確認します:
- CIC(シー・アイ・シー):主にクレジットカード会社が加盟
- JICC(日本信用情報機構):主に消費者金融が加盟
- KSC(全国銀行個人信用情報センター):主に銀行が加盟
これらの機関は互いに情報を共有しているため、「A社では滞納したけどB社は知らないだろう」という考えは通用しません。
私がサポートしたCさん(40歳・フリーランスライター)は、「スマホの分割払いを1回延滞しただけ」だったのに、それが信用情報に記録されていました。スマホの分割払いもクレジット契約の一種なので、当然ながら信用情報に載るんです。
身に覚えがないなら、自分で確認を
「え、そんな滞納した記憶ないんだけど…」という方、実は少なくないんです。
そんな時は、CIC、JICCなどの個人信用情報機関に自分で開示請求をして確認することをお勧めします。これは「信用情報開示制度」と呼ばれ、誰でも自分の情報を確認できる仕組みなんです。
開示方法と費用(2026年2月現在)
- CIC:インターネットで即日確認可能、手数料500円
- JICC:スマホアプリで開示可能、手数料1,000円
- KSC:郵送のみ(約1週間)、手数料1,000円
※念のためご自身にてご確認下さいませ。
本当に身に覚えがない場合は、これらの機関で個人信用情報を取得して確認すると、原因が分かってスッキリします。実際、私のお客様の中にも「開示してみたら、昔作った忘れていたカードの年会費が未払いになっていた」というケースがありました。
開示請求は難しくありません。CICの場合、スマホやパソコンから簡単に申し込めて、すぐに結果が見られます。住宅ローンを申し込む前に、一度ご自身の信用情報を確認しておくことをお勧めしますよ。
キャッシング枠にも注意が必要
もう一点、意外と見落とされがちなのがキャッシング枠です。
クレジットカードを作る時、気づかないうちにキャッシング枠が設定されていることがあります。このキャッシング枠、実際に使っていなくても、「いつでも借りられる状態」として審査に影響するんです。
例えば、5枚のクレジットカードを持っていて、それぞれに50万円のキャッシング枠がついていたとします。実際には1円も借りていなくても、銀行側は「この人は最大250万円借りられる状態にある」と判断することがあるんです。
使っていないカードは解約する、キャッシング枠を外すなど、整理しておくことが大切ですね。
まとめ:審査前に確認しておきたいポイント
住宅ローン審査におけるクレジットカードの重要ポイントをまとめます:
- 普通に使っている分には問題ないが、リボ払いは要注意
- リボ払いは「借入枠」全額で見られる可能性がある
- 滞納履歴は2〜5年間記録が残る(短期延滞2年、長期延滞5年)
- 悪意がなくても口座残高不足による滞納は記録される
- 銀行は個人信用情報を必ずチェックしている
- 身に覚えがない場合はCIC、JICCで信用情報を確認する
- キャッシング枠も審査に影響するので、不要なカードは整理を
フリーランスや個人事業主の方は、会社員と比べて住宅ローン審査のハードルが高いと言われます。だからこそ、クレジットカードの使い方一つで審査結果が変わることもあるんです。
住宅ローンを申し込む前に、ご自身のクレジットカード状況を一度見直してみてください。リボ払いになっていないか、不要なカードはないか、滞納履歴はないか。これらを事前にチェックしておくだけで、審査通過の可能性はグッと高まりますよ。
15年間、多くのお客様の住宅ローン審査をサポートしてきましたが、「知っていれば防げた」失敗が本当に多いんです。この記事が、あなたの夢のマイホーム実現に少しでもお役に立てば嬉しいです。
※本記事の内容は2026年2月現在の情報に基づいています。制度や基準は変更される可能性がありますので、実際の申し込み時には最新情報をご確認ください。

