「フリーランスでも住宅ローン控除って使えるんですか?」
この質問、お客様からよく聞かれます。苦労して住宅ローンの審査を通過して、念願のマイホームを手に入れたフリーランスの方が、住宅ローン控除について不安を抱えているケースは本当に多いんです。
結論から言うと、フリーランスでも住宅ローン控除は受けられます。サラリーマンと同じく所得税や住民税から一定の金額を控除できる、非常に節税効果の高い制度です。
ただし、自宅の一部を事務所として使っているフリーランスの方は、ちょっと注意が必要なんです。実際、私のお客様で「事業用の割合を間違えて計算してしまい、本来受けられるはずの控除が受けられなかった」という残念なケースを見てきました。
この記事では、フリーランスの方が住宅ローン控除を最大限活用するための知識を、現場で15年お客様の相談を受けてきた経験からお伝えしていきます。
住宅ローン控除とは?フリーランスも対象です
まず基本的なところから確認しましょう。
住宅ローン控除(正式名称:住宅借入金等特別控除)とは、住宅ローンを利用してマイホームを購入・建築した人が、年末時点でのローン残高に応じて所得税や住民税の負担を軽減できる制度です。
サラリーマンもフリーランスも、基本的な要件は同じです。
2026年1月現在、主な適用条件は以下の通りです:
- 床面積が50㎡以上(40㎡以上50㎡未満の場合は所得1,000万円以下の年のみ適用)
- 床面積の2分の1以上が居住用であること
- 返済期間が10年以上であること
- 購入後6ヶ月以内に入居し、12月31日まで居住していること
- 年間の合計所得が3,000万円以下であること
実際、私が担当したフリーランスのデザイナーのAさんは、所得が安定してきたタイミングで中古マンションを購入されました。「節税できるのは本当に助かります」と喜んでいらっしゃいましたね。
フリーランスは確定申告で毎年手続きが必要
ここがサラリーマンと大きく違うポイントです。
サラリーマンの場合、初年度は確定申告が必要ですが、2年目以降は会社の年末調整で済みます。しかしフリーランスや個人事業主は、毎年確定申告で住宅ローン控除の手続きをする必要があります。
手続き自体はそれほど難しくありません。確定申告の際に以下の書類を添付します:
- (特定増改築等)住宅借入金等特別控除額の計算明細書
- 住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書(金融機関から送られてきます)
私のお客様で、忙しさのあまり2年目の申告を忘れてしまった方がいました。「1年分の控除を逃してしまった…」と後悔されていましたが、住宅ローン控除は自動では適用されないので、毎年きちんと確定申告することが重要です。
居住用じゃないと控除は受けられない!重要な注意点
ここからが、フリーランスの方に特に知っておいていただきたいポイントです。
住宅ローン控除はあくまで「居住用」の住宅が対象です。つまり:
- 別荘やセカンドハウス:対象外
- 投資用不動産:対象外
- 事務所専用の物件:対象外
「えっ、じゃあ自宅の一部を事務所にしてる私は対象外なんですか?」
いいえ、大丈夫です。自宅兼事務所でも、一定の条件を満たせば住宅ローン控除を受けられます。
自宅兼事務所の場合の注意点:50%ルールを知っておこう
ここが最も重要なポイントです。自宅の一部を事務所として使っている場合、建物の床面積の2分の1以上を居住用部分で占める必要があります。
つまり、事業用として使用している割合が50%を超える場合、住宅ローン控除の対象外になってしまうんです。
実際にあったケースをお話しします。
フリーランスのライターのBさんは、3LDKのマンションを購入されました。リビング、寝室、子ども部屋の3部屋と、もう1部屋を完全に仕事部屋として使う予定でした。
「仕事部屋は経費で落としたいから、事業用の割合を大きく申告しようと思ってます」
そう相談を受けたので、私はすぐにアドバイスしました。
「ちょっと待ってください。事業用の割合を50%以上にしてしまうと、住宅ローン控除が受けられなくなりますよ」
Bさんは驚いていましたが、結局、事業用の割合を30%程度に抑えて申告されました。後日「住宅ローン控除のほうが節税効果が大きかったです。相談してよかった」と連絡をいただきました。
住宅ローン控除と経費計上の関係性
ここで混乱しがちなのが、住宅ローン控除と経費計上の関係です。
重要なルールを覚えておいてください:
住宅ローン控除が適用されるのは自宅部分のみ。事業用に使っている部分の経費と重複して控除はできません。
例えば、自宅の床面積100㎡のうち、30㎡を事務所として使っている場合:
- 居住用部分(70㎡):住宅ローン控除の対象
- 事業用部分(30㎡):住宅ローン控除の対象外だが、家賃相当額を経費として計上可能
つまり、住宅ローン控除を受けながら、事業用部分は経費として計上することもできるんです。これは知っておくと得ですよ。
10%ルールを活用しよう
実は、もう一つ知っておくと便利なルールがあります。
事業用部分が10%以下の場合、住宅全体を居住用として住宅ローン控除を全額受けられるという特例です。
例えば:
- 自宅部分:90%以上
- 事業用部分:10%未満
この場合、床面積のすべてを居住用として扱い、住宅ローン控除を全額適用できます。
ただし、この場合は事業用部分を経費として計上できなくなるので、どちらが得かは計算してみる必要があります。一般的には、住宅ローン控除は税額控除(税金そのものを減らせる)なので、節税効果が大きいケースが多いですね。
物件選びでも注意!控除を受けられない物件がある
せっかく住宅ローンの審査に通っても、物件によっては住宅ローン控除を受けられないケースがあります。
特に注意が必要なのは:
古い中古物件
- 1981年(昭和56年)12月31日より前に建築された住宅
- ただし、新耐震基準を満たしていれば対象になる場合もあります
コンパクトすぎる物件
- 床面積が50㎡未満の物件
- ワンルームマンションなどは要注意です
私のお客様で、リノベーション済みの築50年のマンションを気に入って購入を検討されていた方がいました。立地も価格も良かったのですが、住宅ローン控除が受けられないことが判明。最終的には築35年の物件に変更されました。
「住宅ローン控除が使えるかどうかで、長期的な負担が大きく変わりますからね」と話していたのを覚えています。
せっかく苦労して審査を通過したのだから、ぜひ活用を
フリーランスの方が住宅ローンの審査を通過するのは、本当に大変なことです。
確定申告書を3期分用意したり、所得を証明したり、サラリーマンよりもハードルが高いのは事実です。だからこそ、せっかく手に入れたマイホームで、きちんと住宅ローン控除の恩恵を受けてほしいんです。
住宅ローン控除は、年間で数万円から十数万円の節税効果があります。10年間の合計で考えると、かなりの金額になりますよね。
まとめ:フリーランスの住宅ローン控除、押さえるべきポイント
最後に、重要なポイントをまとめます:
- フリーランスでも住宅ローン控除は受けられる(基本条件はサラリーマンと同じ)
- 毎年の確定申告で手続きが必要(忘れずに!)
- 居住用の物件であることが必須条件
- 自宅兼事務所の場合、事業用部分が50%を超えると対象外
- 住宅ローン控除は自宅部分のみ、事業用部分とは重複できない
- 事業用部分が10%以下なら全額控除を受けられる特例あり
- 古い中古物件やコンパクトすぎる物件は要注意
15年間、たくさんのフリーランスの方の住宅購入をサポートしてきましたが、住宅ローン控除を上手に活用されている方は本当に賢いなと感じます。
特に自宅兼事務所の場合、事業用の割合をどう設定するかで節税効果が大きく変わってきます。迷ったら、税理士さんに相談するのも一つの方法ですよ。
せっかく苦労して住宅ローンの手続きを通過したのですから、ぜひこの記事を参考に、住宅ローン控除の恩恵をしっかり受けてくださいね。
※本記事の内容は2026年1月現在の情報に基づいています。税制は変更される可能性がありますので、実際の手続きの際は最新情報をご確認ください。

