「独立して間もないけど、住宅ローンって組めるの?」「銀行で3年分の確定申告書を出せって言われたけど、まだ1年しか経ってない…」
こんな悩み、本当によく聞きます。私も不動産業界で15年以上お客様の相談に乗ってきましたが、自営業やフリーランスの方が住宅ローンで最初にぶつかる壁が「事業年数」なんです。
民間銀行の多くは「最低でも3年分の確定申告書」を求めてきます。つまり、開業してから最低3年は待たないといけない。でも、独立したばかりで勢いがあるときこそ、マイホームを持ちたいと思いますよね。
そんな自営業・フリーランスの方にとって、ほぼ唯一の選択肢と言っても過言ではないのが「フラット35」なんです。
実は先日も、開業1年目のフリーランスデザイナーの方から「もう家を買いたいんですが、無理ですよね?」と相談を受けました。民間銀行では確かに難しい。でもフラット35なら、1期分の確定申告書があれば審査の土俵に立てるんです。
この記事では、自営業・フリーランスの方がフラット35を選ぶべき理由と、知っておくべき注意点を、現場の経験をもとにお伝えしていきます。
フラット35とは?住宅金融支援機構が提供する長期固定ローン
まずフラット35の基本から押さえておきましょう。
フラット35は、住宅金融支援機構という国が支援する機関と、民間の金融機関が提携して提供している住宅ローンです。最大の特徴は「全期間固定金利」であること。つまり、借り入れたときの金利が35年間ずっと変わらないんです。
2026年1月現在、フラット35の金利は年2.08%(融資率9割以下、返済期間21~35年)となっています。変動金利と比べると高く見えますが、35年間金利が変わらないという安心感は何物にも代えがたいものがあります。
実際、私のお客様でフリーランスのITエンジニアのAさん(35歳)は、「毎月の返済額が変わらないから、事業の売上が多少ブレても安心して生活設計できる」とおっしゃっていました。自営業は収入の波があるからこそ、固定の支出が確定している安心感は大きいんです。
代理店を通じて申し込む仕組み
フラット35の面白いところは、直接住宅金融支援機構に申し込むのではなく、代理店となる金融機関を通じて申し込むという点です。
代表的な取扱機関には以下があります:
- ARUHI(アルヒ)
- 住信SBIネット銀行
- 楽天銀行
- 地方銀行や信用金庫
金融機関によって事務手数料や付帯サービスが異なるので、比較検討する価値があります。例えばARUHIは「ARUHIスーパーフラット」という独自商品も提供していて、頭金を多く入れれば金利がさらに下がる仕組みになっています。
自営業・フリーランスがフラット35を選ぶべき3つの理由
ここからが本題です。なぜ自営業・フリーランスの方にフラット35がおすすめなのか、3つのポイントで解説します。
理由1:最短1期分の確定申告書で審査可能
これが最大のメリットです。
民間銀行の多くは、自営業者に対して「直近3期分の確定申告書」と「3期連続黒字」を求めてきます。つまり、開業してから最低でも3年は待たないといけないわけです。
でもフラット35なら、1回目の確定申告が終わっていれば審査に申し込めます。
例えば、2025年1月に開業して、2026年3月に初めての確定申告を済ませれば、2026年4月には住宅ローンの申込が可能になるんです。開業してわずか1年ちょっとで、マイホーム購入の夢が叶うわけです。
実際、私が担当したフリーランスライターのBさん(32歳女性)は、2024年4月に開業したばかり。2025年3月に確定申告を終えて、同年5月には無事にマンションの売買契約を結びました。「民間銀行だったら、あと2年も待たされるところでした」と、本当に喜んでいらっしゃいました。
理由2:直近の所得(年収)で見てもらえるため、勢いのある収入期で審査が可能
ここ、かなり重要なポイントです。
一般的な銀行住宅ローンでは、直近3期(3年)平均の所得で審査されるケースがほとんどです。
そのため、開業して間もない個人事業主やフリーランスの場合、
- 開業初期で所得が低かった年
- 準備期間が長く、売上が立っていなかった年
こうした期間もすべて平均に含まれてしまい、実態よりも低い年収で評価されがちです。
一方、フラット35は
👉 直近の確定申告書に記載された「所得」をベースに審査されます。
つまり、
- 最近になって売上が伸びてきた
- 軌道に乗り始めたタイミング
といった「勢いが出てきた収入の期間」で審査してもらえるのが大きなメリットです。
開業当初は苦しかったけれど、
「ここ1年で一気に売上が伸びた」という方にとっては、
通常の銀行よりも現状に近い評価をしてもらいやすい仕組みと言えます。
理由3:決算書の提出が不要で手続きがシンプル
民間銀行の場合、法人代表者は「決算書3期分」「法人税の納税証明書」「会社の登記簿謄本」など、膨大な書類を求められることが多いです。
でもフラット35なら、決算書の提出が不要なんです。
必要な書類は主に以下だけ:
- 確定申告書(原則2年分、開業1年目なら1年分)
- 納税証明書(その1・その2)
- 本人確認書類
- 物件関係書類
個人事業主の方にとって、これはかなりの手間削減になります。しかも、確定申告書に記載された「所得」の部分が審査年収になるので、計算もわかりやすい。
**ただし注意点:**年収400万円未満の場合は返済負担率30%以下、400万円以上の場合は35%以下という基準があります。返済負担率とは、年間のローン返済額が年収に占める割合のこと。他にカーローンなどの借入がある場合は、それも含めて計算されます。
フラット35を選ぶ前に知っておくべき注意点
良いことばかりお伝えしましたが、もちろん注意点もあります。後で「こんなはずじゃなかった」とならないよう、しっかり確認しておきましょう。
金利は変動金利より高め
2026年1月現在、フラット35の金利は年2.08%。一方、変動金利1%前後の商品、1%以下の住宅ローンもあります。
単純に金利だけ見ると、変動金利の方が圧倒的に低いですよね。でも変動金利は、将来金利が上がるリスクがあります。
フラット35を選ぶか変動金利を選ぶかは、「将来の金利上昇リスクをどう考えるか」という判断になります。自営業で収入に波があるなら、返済額が確定しているフラット35の方が安心という考え方もあります。
実際、私が担当した個人事業主のDさん(40歳男性)は、「事業がうまくいっているうちはいいけど、もし売上が落ちたときに金利まで上がったら怖い」と、あえてフラット35を選ばれました。確かに、商売は何が起こるかわかりませんからね。
物件に技術基準があり、「フラット35適合証明書」が必要
フフラット35は、住宅金融支援機構が定める技術基準を満たした物件でないと利用できません。
主な基準は:
- 一定の耐震性能
- 省エネ性能
- 劣化対策 など
そして原則として、
「フラット35適合証明書」の取得が必要になります。
この証明書の取得費用は、 約5〜8万円程度かかるのが一般的です。
新築物件であれば問題になることは少ないですが、
築年数が古い中古物件では基準を満たさないケースもあります。
特に築30年以上の物件を検討する場合は、
購入前に必ず「フラット35が利用できるか」を不動産会社に確認しましょう。
融資事務手数料がかかる
フラット35では、多くの金融機関で融資事務手数料が借入額の約2.2%(税込)かかります。
例えば3,000万円借りるなら、事務手数料だけで約66万円。これは結構大きな金額ですよね。
頭金や諸費用を準備する際は、この事務手数料も忘れずに計算に入れておきましょう。
まとめ:開業間もない自営業者の強い味方
ここまでの内容を整理しておきます。
フラット35が自営業・フリーランスにおすすめな理由:
- 最短1期分の確定申告で審査可能(民間は通常3期分必要)
- 割戻計算で不利にならない年収評価
- 決算書不要でシンプルな手続き
- 全期間固定金利で返済計画が立てやすい
注意すべきポイント:
- 金利は変動金利より高め(2026年1月で年2.08%)
- 物件の技術基準あり(特に古い中古物件は要確認)
- 融資事務手数料が借入額の約2.2%
開業して間もない自営業・フリーランスの方にとって、フラット35は本当に貴重な選択肢です。民間銀行であきらめかけていた方も、フラット35なら可能性が開けるかもしれません。
実際の申込前には、取扱金融機関で事前審査を受けて、自分の年収でいくらまで借りられるかシミュレーションしてみることをおすすめします。住宅金融支援機構の公式サイトにも、借入可能額のシミュレーターがありますので、ぜひ活用してみてください。
夢のマイホーム、あきらめる必要はありません。フラット35という選択肢を、ぜひ検討してみてくださいね。
※本記事の内容は2026年2月現在の情報に基づいています。金利や制度は変更される可能性がありますので、実際の申込時には最新情報をご確認ください。

